midday crow
彩人は階段の踊り場で紅羽の腕を離した。

「もうしばらくしてから戻ってくる? 今なら太陽を探してたことにできるけど」

大丈夫かとか、なにかあったのかとか、太陽は見つかったかとか、そういうことを一切訊かない。

「……うー……」

今ばかりは、彩人のそういうところに救われる。

俯き気味で顔が見えないようにしながら、がっと彩人の腕を掴んでいた。

「くうぅ……」

「うん」

「むうううう……」

「うん」

「ぬあああ……」

「うん」
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