midday crow
全く、よくよく考えたら、彩人はなんていい男だろうか。

察しがよくて、気遣いも優秀。

意味のわからない唸り声を聞いてくれる。

今までその勘のよさを敬遠していたが、今後は改めよう。

紅羽はしばらく唸ってから、部室を出てからの出来事を打ち明けていた。

「なるほどなあ……」

階段を誰も通らないのをいいことに、下の段に並んで座っている。

「紅羽ちゃんも太陽に沼っちゃったか」

「もうすでに……手遅れだった……」

どっぷりハマって抜けられる気がしない。
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