midday crow
部室の空気が気まずい。

ドアを背後に紅羽は冷や汗をかいている。

「……えっと……。俺、見張りしてるね」

彩人が紅羽を部屋の中央に押しやり、自分がドアの前に佇んだ。

見張りとは、太陽が帰ってくるのを、ということだろう。

焔の視線がひたひたと染みる。

うう……。

とても顔を上げられない。目なんて合わせられない。

「烏丸、どういうことだ」

硬い響きの声である。
< 184 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop