midday crow
「……そうだったのか」

焔は少し俯く。

前髪が彼の目を覆う。

反応が読めず、紅羽は思わず彩人と顔を見合わせる。

太陽が帰ってくる気配はない。

「彩人はなんで知ってたんだ?」

「俺? 俺は、紅羽ちゃんが光輝と電話してたところに居合わせて」

「私がうっかり口を滑らせて」

「それで彩人は、どう判断したんだ?」

焔がなにを知りたいのかわからないが、彩人は小首を傾げつつ素直に答える。

「紅羽ちゃんに、焔と太陽にその話することを約束してもらった」
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