midday crow
むしろ紅羽のほうが不安になる。

「ちょ……待て待て。おまえ今まで適当にやってたのかよ、とかそういうのは」

「言われたかったのか?」

「言われたくはなかったけど」

ふっ、とおかしそうに焔が笑った。

おお。珍しい。レアである。

「思わない」

「……理由とか、訊いても……?」

「理由? そうだな」

少し間を空けてから、焔はさらりと口に出す。

「適当に聴こえなかったから。烏丸のキーボードは」
< 191 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop