midday crow
紅羽はなんだか居心地が悪くなる。

先程までの居心地の悪さとは、違う感じだ。

なんとなく、照れくさい。

聞いてみればなるほど、単純明快、それ以上はない絶対的な理由である。

視界の端で、彩人が得意げに微笑んでいるのが見えた。

音楽で話をしてる──いつかの彼の言葉が思い起こされた。

「じゃあ俺は、しばらく太陽に黙ってればいいんだな」

「はい。お願いします。……私から、太陽くんに伝えるまで」

「なんで辞めなきゃいけないと思ってるのか、よくわからんが。わかった」
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