midday crow
なんなんだこいつは。

紅羽は目を白黒させている。

太陽は一人でなにか喋っているが、聞いている余裕もない。

まあいい。機嫌がよくなったなら、今後面倒もないだろう。

そう思い部室に帰ろうとしたときだった。

「────……っ、太陽先輩!」

聞きなれない女子の声が、廊下に響いた。

声のしたほうを振り向くと、小柄な少女と、嫌そうな、困ったような顔をした男子が立っていた。

太陽先輩、と呼んだということは、一年生なのだろう。

知り合いか、と太陽を見たが、太陽もきょとんとした顔である。
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