midday crow
はて、ともう一度彼女のほうを見ると、彼女はきっと紅羽を睨みつけた。

ん? と紅羽は困惑するしかない。睨まれる覚えはないぞ。

小柄な少女はどこか泣きそうな目をしていて、睨んでも迫力はあまりない。

髪をゆるく二つにくくっているが、あまり上手くない。高さが違う。

「えっと、誰?」

そう言ったのは太陽で、やはり顔見知りではないらしい。

「あの……、太陽先輩は、そちらの人とお付き合いしてるんですかっ!?」

彼女は大きく目を見開いて、意気込んで訊ねた。

答えを聞きたいような聞きたくないような、複雑な顔をしている。
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