midday crow
「な……な……」

金森太陽の手はぶるぶると震えている。

ぐしゃっと手に握られていた手紙が潰れた。

「なんなんだよこれはー!」

狭い部室で大絶叫した太陽は、手紙を床に叩きつけた。

時は春、四月二日である。

「まあ落ち着け。叫んであいつが戻ってくるわけでもない」

潰れた手紙を拾い上げたのは黒田焔だ。

「うん。腸が煮えくり返るのはわかるけどね」

座りなよ、と椅子を指し示すのが日野彩人。

三人は今年度から高校二年生になる。
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