midday crow
少女の声には思いつめたような雰囲気があった。

まずいまずい。本気の現場に居合わせたくはない。

だが、少女は紅羽が逃げ出す前に、それを言ってしまった。

「私、太陽先輩のことが、好きなんです!」

あー……。

紅羽は思わず目を眇める。

「え!?」

太陽は大仰に驚いている。

少女の隣の男子は冷めた目だ。

気まずい沈黙が訪れる。

破ったのは太陽の声だった。

「……えっと……、とりあえず、誰?」
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