midday crow
そう言うと、目に見えて彼女は安堵する。

……可愛い子だなあ。

紅羽は素直にそう思う。

上級生の教室でお昼を、というのは、目立つし疲れるだろうから、場所を移動することにする。

廊下に出て気づいたが、前も向日葵のそばにいたあの男子が、気だるそうに立っていた。

紅羽と目が合うと、小さく会釈をしてくれる。

向日葵は彼には目もくれず、緊張した足取りで歩いている。

……はて?

本当によくわからない。

怪訝に思いながらも、大人しく彼女について行った。
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