midday crow
「くれはさん……ですね」

いきなり下の名前か。別にいいが。

「あの……くれはさんは、太陽先輩とは、お付き合いしてらっしゃらないんですよね?」

「してない」

「……じゃあ、なんでこないだ、抱き合ってたんですか?」

「…………」

なにから言えばよいのだろう。

まず抱き合ってない。抱きしめられただけだ。

それも、色恋には全く関わりない。太陽がハイだったから、多分勢いだ。

つまり他意はないわけである。

考えても仕方がないので、じっと紅羽を見つめている向日葵のために、順番に話すことにした。
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