midday crow
一生懸命な子なんだな。

空になった弁当箱を片づけながら、ぼんやりと紅羽は思う。

一生懸命で素直で純粋で、愛らしい子だ。

太陽の隣で笑っていても、全く違和感ない。

……あれ。なんだかもやもやする。

なぜだろう、重たい煙が胸の中に渦巻くような感じがする。

正体不明なものに眉を寄せていると、向日葵が声を発した。

「あの、太陽先輩って、今好きな人いるんでしょうか?」

「んっ?」

突然の問いに紅羽は目をしばたたく。
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