midday crow
「……それは難しいと思うけど」

呆れたまま呟く。

紅羽は太陽を好きではない。太陽も紅羽を好きではない。

恋愛感情がないと付き合えないだとか言うつもりはないが、お互い──少なくとも紅羽は、恋人を必要としていない。

それで付き合いましょう、とはなるまい。

「なんで?」

藤の返事は簡潔で紅羽は面食らう。

説明するべきだろうか、長々と?

しかし彼が続けた言葉に固まる。

「お互い好きなのに付き合えない理由がわからない」
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