midday crow
「藤くん。それはやっぱり、難しいな」

声は上ずっていなかっただろうか。

なるべく普通に、と念じつつ向日葵と目を合わせる。

「そろそろ昼休み終わるよ」

「あっ、えっ? ほんとだ!」

弁当を食べるのは諦めていなかったらしい。

とても時間内には食べきれないだろうが、頬におかずを詰め込んでいる。

「……冬眠でもする気かな」

呆れ半分呟いた。
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