midday crow
もう話は終わったようだし、向日葵が口をもぐもぐさせるのを見守る義務もないので、特別教室を後にする。

人気の遠い廊下を一人歩きながら、ばくばくと音を立てる心臓を押さえた。

なんとか乗り切れただろうか。藤は誤魔化しきれていなさそうだったが。

とんでもない爆弾落としていきやがった。

藤が残した言葉を考えているようで、頭は上手く働かない。

お互い好きなのに──。

全く馬鹿げている。

そう言い切るには、紅羽の側の気持ちがぐらついているのだ。
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