midday crow
呑気な光輝に苛立つ。

「あのね……、連絡こないかと思ったでしょ」

紅羽が慌てていたのにも理由はある。

五日までに連絡する、なければ親に知らせろ、と言ったのは光輝である。

七月に入り、期末試験が終わると、連絡がこないことがどんどん気がかりになってきて、紅羽は本気で心配していたのだ。

だというのにこいつは軽い調子で、心配は腹立たしさに転換された。

『すまんすまん。まあ間に合ったし許して!』

帰ってきたら殴る。決めた。

「──で、調子はどうなの。健康?」

『健康健康。風邪もひかない。筋肉ついた気がする』
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