midday crow
なんだそれは。

「筋肉? なにやってんの」

『え? 秘密』

二発殴る。決めた。

ぐっ、と拳に爪をめり込ませていると、電話の向こうで慌てた声がする。

紅羽の気配を察したらしい。

『いやあの、帰ったら! まとめて! 言いますから!』

せせら笑いを返事に変えた。

情けなく垂れ流される声を聞きながら、紅羽はふと空を仰いだ。
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