midday crow
太陽の眩しさに目を細める。

高い青空を眺めていると、次第に電話の声は遠のき、蝉時雨が脳内を埋めつくしていく。

夏なのだな、と、紅羽はやっと実感した。

「──ねえ」

『ん?』

一人で喋り続けていた光輝は言葉を引っ込めて、紅羽に応える。

「そっちの天気は?」

唐突な問いだったと思うが、彼はためらいなく返答した。

『晴れ。超晴れ。いやもー雲一つない青空よ? 俺こういう空すげー好き』

「そうだね」
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