midday crow
こくりと彼は頷く。

紅羽は紅羽で、藤という男が掴めず考えている。

まず、面倒くさがりなのは確かだろう。

気だるげで、だが意志は押し通す人間。

一度だけ、向日葵とも一緒に食べた昼のとき、最初の方はずっと黙りこくっていたので寡黙なのかと思っていたが、そうでもなさそうだ。

あと紅羽は気にしないが、礼儀に無頓着。

一応紅羽は上級生だが、ほぼ敬語を使わない。

そして、弱みを人に見せたがらない。

そういう雰囲気を感じた。多分──紅羽もそうだからだ。

「くれはさんにならいいかなって」

「君の中の基準はよくわからないな……」
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