midday crow
思う、のに……。

その言葉が出てこない。

向日葵の、太陽への恋を応援する言葉が。

胸のもやもやに気づいて動揺する。

どうして……?

「くれはさん」

はっと顔を上げると、藤が覗き込んでいた。

「そろそろ自覚した?」

「…………」

べし、と藤の額を軽く叩いた。

「いてー」

「藤くんさー……」

途端に紅羽は不機嫌になって言う。

「性格悪いね」

「否定はしない」
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