midday crow
うーん、このままではダメだよなあ。

そう思っていたら、彩人が動いた。

ドアの前に立って、小さく手招きしている。

視線を合わせているのは紅羽なので、そろりと彼女は近寄った。

そのまま二人連れ立って部室を出る。

太陽と焔からは、引き留める声はなかった。

「どうかしたの」

ざわめきが遠い廊下で問いかける。

「いや、訊いておこうと思って。紅羽ちゃんは怒りそうだけど」

苦笑しながら彩人は歩き出した。

なんとなく、彩人から投げかけられる質問が予想できた。

顔は勝手に渋面を作るが、確かに今の困った状態を解決するには、それをはっきりさせるのが手っ取り早いのだ。
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