midday crow
呟くと、なぜか向日葵は曖昧な顔をする。

「それ、藤が持ち込んできたんです。園芸部なんだから、自分だけでも花を育てろって言ったら、ヒマワリを。……いや、いいんですけど」

「藤くんも園芸部なの? 意外」

「うーん、私、あいつのことよくわからないんです。別に花に詳しくもないし。なんで入部したんだろ」

「…………」

察した。黙った。

ついでに本来の目的を思い出した。

向日葵に会いにきた目的を。

「向日葵ちゃん。聞いてくれる?」

切り出すと、雑談とは違うものを感じたのだろう。

向日葵はジョウロを握り直し、居住まいを正した。
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