midday crow
なんてことだ……。

朝から紅羽はスマホを凝視している。

昨日彩人から送られてきたメッセージで、昨日だけでも何度見たかしれない。

寝て覚めれば夢と消えるかも、と思っていたのに、その文言は消えていない。

なんということだ……。

紅羽は太陽と正面から向き合っていたいわけである。

彼の目をまっすぐに見ていたいのだ。

完璧に紅羽の気持ちの問題なのだが、今のままではそうできない。

どうしたものか……。

紅羽を呼ぶ兄の声を聞き流しながら、眉間にしわを刻んでいた。
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