midday crow
なにを。

そんな問いの答えは自明だ。

だって、男と女でなきゃこんな空気にはならない。

けれど……。

紅羽も彼に手を伸ばしていた。

左手で太陽の口を塞ぐ。

虚をつかれたように一瞬動きを止め、太陽は次いで目の奥に不満をちらつかせた。

もごもごと、手の下で口を動かして抗議しているのがわかる。

紅羽は半笑いで目を逸らしていた。

聞きたくないのだから仕方ない。
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