midday crow
不思議だと思う。

太陽はどんなときでも、『まっすぐ』という印象がする。

だからだろうか、紅羽もまっすぐでいたいと思うし、まっすぐになれる気がするのだ。

「……辞められない」

正直に、胸中の思いを吐露していた。

「太陽くんと曲を作るのが楽しい。みんなで音を合わせるのが……クロウの一員であることが、なにより楽しくて……失いたくない」

もう、光輝には譲れない。

そう呟くと、太陽は笑った。

「譲るなよ。紅羽がいなきゃクロウじゃない」

紅羽は目を瞬いた。

目も眩むほど、眩しい笑みだった。
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