midday crow
「えーと、それで紅羽の話は終わりなわけ?」

「え? あ、うん。終わり」

呆けていた彼女は慌てて意識を引き戻す。

不覚にも、少し泣きそうだった。

「じゃあ次は俺の話を聞いてもらおう」

「待った」

びし、と手を突き出して紅羽は待ったをかける。

「なんでだよ!」

「えっとね……あのね……」

精算の二つ目はこれでクリア。

だがあともう一つ、残っている。

光輝に伝えることだ。クロウはもう譲れないと。

紅羽の居場所になったのだと。
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