midday crow
光輝は紅羽が意志を固めたことを喜ぶかもしれないが、一応言っておくべきだと思う。

紅羽のルールでは、だからまだその言葉を聞きたくないのだ。

太陽がくれるであろう、一番聞きたい言葉を。

「待ったなし! 大人しく聞け!」

「待った! 私は……!」

太陽が口を挟む前に早口で言う。

「私の心の平穏のために、精算を終わらせたいんだよ!」

「……な、なんの話?」

「太陽くんの目を直視するために、言わなきゃいけないこととかを、全部言っておきたいの!」

「まだなんかあんの!?」

「太陽くんにはもうないけど!」
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