midday crow
「ああ。でも、今年こそはやる!」

ぐっ、と拳を突き上げて太陽は宣言した。

どうせ、手続きは焔や彩人がするんだろうな。

自分は面倒なことをやる気がない紅羽の感想である。

「で! できれば光輝を呼びたい」

さらっと発言したので聞き流しそうになったが、紅羽は目を丸くして太陽を見返した。

「光輝を、呼びたい?」

「そ。来るかどうかはあいつ次第だけど、次に連絡あったら話して、来いって言ってくれ」

「わかっ……た、けど」

戸惑いは表面に現れていただろう。

太陽は歯を見せて笑った。

「今の俺らの音を、光輝に聴いてほしいからな」
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