midday crow

「音合わせるのが気持ちいい……。作曲も、バカな話も、みんなで過ごす全部」

『ああ。わかるよ』

「光輝が辿った道だよね」

『だけど、俺は道を外れた。今はもう、紅羽が歩いていく道だ』

「後悔してないの」

どうしてもこれだけは、訊いておこうと思っていた。

吐き出した声は鋭かった。

『……はは』

対する光輝からは、変な笑い声が返ってくる。

乾いていて、濡れていて、楽しそうで、悔しそうで、安心していて、諦めているような。

『わかんねーな。してるかも。だけどしてない。……紅羽』