midday crow
普段と違う光輝の声に、紅羽はなんとか目を開く。

「なに」

『筋違いだけど言わせてくれ』

「うん」

『大事にしてやってほしい。あいつらを。太陽の曲を』

「……当たり前じゃん」

スマホを握る手に力が込もった。

「大事にするよ。当然。大事なんだから」

『……ははっ』

今度は、本当に愉快そうな笑い声だった。

『そうだよな。うん。おまえはそういうやつだよ』

「さっきからなんなの? てかライブ。来てね。絶対。さもなくば」

『さもなくば?』

「その体で体験するがいい」

『こえーなー』
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