midday crow

炎を燃やせ

そんな電話があったのも、もう一ヶ月以上前になる。

飛ぶように過ぎた八月は、ひたすら音楽と触れ合っていた。

九月、文化祭二日目である。

我が校では、一般客の入場は二日目だけ許可されている。

光輝が来るなら、今日だ。

「いいか太陽、走るなよ。昨日みたいなのは絶対に勘弁してくれ」

「わかってるって!」

太陽がきらきらした笑みを浮かべて頷いた。

ベースを吊り下げた焔は、不安そうに太陽を眺めやっている。
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