midday crow
天気は申し分ない晴天で、どこまでも音は飛んでいきそうだ。

軽音楽部の部室がある場所は現在立ち入り禁止なので、生徒たちの喧騒は遠い。

野外のステージに立つまで、あと三十分ほど。

最終調整の真っ最中だ。

九月といえど気温は高い中、紅羽たちは漆黒の衣装に身を包んでいる。

なかなかみんな格好いいと思う。

太陽が、着替えた紅羽を見て、似合うなあと嬉しそうに笑ったとき、不覚にもどきりとしたのは内緒だ。
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