midday crow
光輝のことを、黙って消えたバカなあの男のことを、これだけわかってくれている人がいる。

「じゃあ、その人のこと待っててあげたら?」

これもまた失言だった。

自分の居場所を自分でなくすようなことを言うと、怪しまれる。

「いや」

けれど太陽はそれには頓着せず、きっぱりと言い切った。

「俺は待たないって決めた。俺らのバンドは、これからは紅羽がメンバーだ。話し合ってそう決めた」

「……ほんとに、それでいいの」
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