midday crow
前に、そう、まだ春だった、あの頃太陽に言われた言葉が脳裏をよぎった。

「……太陽くんの心、私に預けて」

太陽は一瞬、目を見開いてから、この上なく嬉しそうに笑った。

「もう預けてる」

温かい言葉に、紅羽は少しはにかんだ。

熱い頬を冷ますように、階段を駆け下りる。

光満ちるステージが待っている。
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