midday crow
「空気、とか、雰囲気、みたいなのが、はっきりわかる……。互いをどう思ってるのか、みたいな、そういうやつ」

「俺もそう思う」

恋愛的なことだけではなく、演奏している四人からは、深い信頼、愛情、友情を感じる。

だからこそ人々に音楽が届き、彼らから目を離せなくなるのだ。

見たくないと思っている藤でさえ。

美しくちらつく炎を──この目に留めておきたいと。

「うっ……うう……。みなさん、かっこよすぎる……」

「太陽さんは別に」

「だからなんで藤はそんなこと言うのー!?」

「向日葵こそ、いいかげん俺にしとけばいいのに」

「また意味のわからないこと言う……」

「ほんとにわからないんなら行動で示すけど」

「え?」

きょとんと目を丸くする向日葵が、藤を、見た。
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