midday crow
紅羽の中でメロディが響き出す。

四人で合わせた音。

だめだ、と紅羽は戒めるけれど、音は止まない。

深く立ち入ってはいけない。

このバンドの根幹には関わってはだめだ。

光輝が来るまでの繋ぎでしか、紅羽はないのだから──。

「いつかさー」

太陽は少し下を向いていた。

「機会があったらさー、光輝に聴かせてやる。最高の演奏をさ。おまえがいない、紅羽との演奏で、俺らはここまでやれるんだ、てさ」
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