midday crow
憎まれ口の言い合いは軽音楽部の部室前まで続いた。

本来は部外者立ち入り禁止だが、そんなもん知ったことか。

暑いので開け放されたドアの前、光輝は一度深呼吸をした。

それから部屋に入るのかと思いきや、くるりと紅羽の方を見て、

「どうしよう、思ったより気まずいし緊張する」

「知らないよそんなことさっさと入れ」

結局紅羽が蹴り入れた。

蹴られた衝撃で出入り口付近で光輝は膝をつき、その音に室内の三人が振り返る。

「──光輝!」

真っ先に声を上げたのは太陽で、即座に歩み寄って光輝の頬をつねりあげた。
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