midday crow
いとこ……。

と、口だけを彩人が動かした。

よほど驚いたらしい。

「私の母と光輝の父親が兄妹でね」

「そーそー。紅羽んとこの父さんの性が烏丸なんだよ」

「母の旧姓は阿鳥で、嫁入りして」

「……初耳だ」

「うん。初めて知った」

コメントしない太陽は、多分よくわかっていない。

「ともあれだ」

光輝の胸ぐらを掴みあげ、紅羽は間近で彼を睨んだ。

「旅とやらに出た理由、言いたくないなら無理には訊かないが、加奈子さんと父さんにはちゃんと謝っとけよ」

「ん? 母さんはわかるけど、なんで紅羽んとこの父さんに?」

「ぶっちゃけ、親類のなかで加奈子さんの次に心配してたぞ。父さん」

「優しいなあ」

「全く、お人好しだよ」
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