midday crow
へらりと光輝が笑った。

「……家出の理由さ、言いたくないのは、情けなさすぎるからだよ」

「情けなくない光輝なんて見たことないけど」

「ひっでぇ」

笑いながら彼は眉尻を下げる。

「……でも、確かにそうかもしれん。おまえ、いつでもかっこいいからな」

「どうも」

「太陽も、焔も、彩人も。みんな眩しくて、かっこいいよ」

紅羽はそっと胸ぐらから手を離した。

黙りこくっていた三人のもとに歩み寄る。

「……本当に、いきなり黙って消えて、悪かった」

静かに頭を下げた光輝に、しばらくしてから太陽が大股で近づいた。
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