midday crow
そんなのはだめだ。

このバンドのキーボードは光輝であるべきだ。

けれど。

メロディがどんどん大きくなる。

音を合わせる日々が楽しい、なんて、封じ込めなければならないのに。

この四人で最高の演奏を──それはなんて魅力的。

「……あはは、んじゃ、バンド名考えよー!」

湿ったような空気を吹き飛ばすように、明るく彼は言う。

紅羽はもう、反対する言葉が思い浮かばなかった。
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