midday crow
「悪い、遅れたー!」

結局部活には遅刻した。

夏なので開けっ放しの部室扉の向こうには、すでに三人が揃っている。

普段なら焔が苦言を呈すのだが、今日はなにも言わなかった。

「……?」

怪訝に思いつつ荷物を置いていると、ビニール袋を抱えて彩人が近寄ってくる。

「なにそれ。どしたの」

「太陽、誕生日おめでとー」

言いながらビニール袋を太陽に押しつける。

状況を理解できないまま受け取って覗くと、中身は多種のお菓子だった。

「えっ……これ!?」

「そういえば盆明けは太陽の誕生日だったなって思い出したからさ、コンビニで適当に買ってきた。三人でね」
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