midday crow
「ほんと、なに考えてんだろうね」

怒るというより呆れた顔で彩人が言う。

手紙の送り主、阿鳥光輝という男は、彼らと同じ高校の二年生になる予定だった。

過去形なのは、手紙にもある通り、彼が旅に出たからだ。

旅? は? 旅? と太陽は思っている。

彼ら四人は、軽音楽部の部員だ。

太陽がギターボーカル、焔はベース、ドラムが彩人で、光輝はキーボードだった。

一年前、入学した彼らはバンドをやりたいということで意気投合し、軽音楽部を作った。

オリジナル曲もいくつかあり、そのどれもで重要なのがキーボードである。
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