midday crow
太陽はペンを持って、下手な絵を描き始める。

「空に太陽があってさ、それに向かって飛ぶの」

丸の中に黒い鳥らしき絵だ。

丸が太陽ということだろうか?

下手な絵ではいまいちよくわからなかったが、想像することはできた。

抜ける青空に浮かぶ太陽。

灼熱の光に向かって飛ぶ烏。

眩しい光の輪の中で、黒い翼をひらめかせる。

似合うかもしれない、と素直に思ってしまって、提案を却下するタイミングを見失った。
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