midday crow
顔を上げると目が合う。

本当にまっすぐな目。

向かい合って、純粋に対等にある。

「おまえがいいなら、これでいく」

紅羽は彼の瞳を見つめ返した。

まっすぐに。

「……わかった。いいよ」

太陽は破顔する。

「よし! じゃあ、祝杯をあげよう!」

「なんの」

「グラス持ったか? いくぞ!」

話を聞きやしない。

流れに乗せられて紅羽はグラスを掴む。

「新しい俺たちのバンドに!」

乾杯、と四人でグラスを合わせる。

戸惑いつつも、楽しそうに笑う太陽から目が離せないでいた。
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