midday crow
「でドーンってなる!」

全体の音を合わせる。

「ここでタタタンってドラム!」

スネア、タムタムで激しく。

「ビィィンってベース!」

ベースが低くうねる。

「おまえ完璧!」

「太陽くんはもっと表現力を磨いたら?」

まったく。

紅羽は呆れ半分である。

数日、頭を突き合わせて曲を作っているが、八分音符だとか四分休符だとか、具体的な指示が微塵もない。

擬音と手振りで「こう!」と言われても、そりゃあわかるものではなかろう。
< 55 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop