midday crow
『ダァァン、だって』

『バスドラじゃないの?』

『なんか違うらしい。俺の自主課題』

自主課題にして他人に頼るのはいかがなものか。

ふうっ、と呆れながら紅羽は頬杖をつく。

『私ならバスドラとベースかな。マイナーで』

『マイナーのベースかあ!』

生き返ったように紙をひったくり、つらつらとコードを書き始める光輝。

もう一つため息をついて、自分の問題集にまた意識を集中させる。

『紅羽』

『なに』

声だけで返事をしたが、光輝はなにも言わない。
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