midday crow
不審に思って顔を上げると、光輝はそれを待っていたらしい。

目が合った。

『紅羽おまえ、俺らのバンド入らん?』

『バカじゃないの?』

いろいろありえなくて、反射的に眉をしかめてしまった。

『でもさ、絶対気が合うよ』

『なにが』

『紅羽と太陽』

『知らないよそんなの』

やけに真面目な顔をしていたのが、今でも印象に残っている。

普段、呑気でアホでバカなこの男が。
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