midday crow
振動するスマホを取り出して画面を開き、目を見張って絶句した。

紅羽は思わず立ち止まり、踊り場に下りた三人が訝しんで見上げている。

「紅羽? どうかし──」

「ごめん電話。じゃあゴールデンウィーク明けに」

「えっ?」

戸惑う三人を追い抜いて、光の速さで階段を駆け下りる。

靴を履き替えるのももどかしく、踵を踏み潰したまま校内から走り出た。

三人の姿が見えないことをしっかりと確認して、紅羽は再び画面と睨み合う。
< 68 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop