midday crow
「うーん」

眉を八の字にして彩人は苦笑する。

ドラムセットの中央、そこが彼の定位置だ。

「太陽、どうしたい。光輝なしで、新しくキーボード探して続けるか、光輝を待つか」

焔が冷静に選択肢を提示する。

「待つったって……!」

どこに行ったとも知れぬあのバカを?

一年間、共に過ごして演奏の腕を磨いてきたことを放り出して、ふざけた手紙だけ残して、直接の挨拶もなしに消えたあのバカを?
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